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養生について
人は生き物です。何百万年も昔に現在の人類の祖先が誕生したといわれますが、生き物はもっと古くからあり、進化してきました。その過程で、太陽や地球の自転などとのかかわりが体内に組み込まれました。そのため人には体内時計があり、生体リズムを刻んでいます。
また人は動物です。“動く”ことをしないと、体の様々な機能が低下してきます。さらに人は昼間に動く動物です。元気よく活動するのは昼間が良いようになっています。
動くとお腹がすきます。エネルギーを補給しなければならないのですが、それが“食べる”ということです。人は雑食なので、肉も魚も野菜も果物も食べます。人にとって必要な栄養素はたくさんありますが、そのうち他の栄養素から体の中で作り変えることができる物は限られています。従って、ある程度バランスよく食べる必要があります。
動くと疲れますし、食べると眠くなります。すると“休む”必要が出てきます。食後ゆっくり休むことで、消化吸収がうまく行われます。夜には睡眠をとることで、摂取した栄養を使って体の壊れたところを修復し、元気な状態に戻します。この作業はどうも主に夜に行われているようです。
一方、人は自然界の中ではあまり強くもなく、動きが速いわけでもないようです。そこで、集団で生活するようになりました。すると、他の人とのかかわりも出てきますので、自分の好き勝手できなくなり、自ずと制限が加わることになります。ストレスですね。また頭の機能も発達した人間は、人とのかかわりを持つために感情も発達してきました。怖い・恐ろしいといった感覚は生きるために必要なのでかなり昔から備わっていたようですが、喜ぶ・楽しいといった感情は比較的新しい感情だそうです。従って、外から受ける精神的な刺激は進化とともに、必要性・重要性を増すとともに、それを感受するのも鋭敏になってきたのかもしれません。もともと自然界で生活するだけででも、他の動物に襲われたりする可能性がありストレスを感じるのに、さらに多くなるのです。この精神的なストレスは少しずつ解消していく必要がありそうです。
ただ、このストレスがあったおかげで様々な機能が発達してきたとも言えますし、逆に全くない状態も良くないとされます。
ものすごく早いスピードで動く現代、また文明が発達し昼夜もない状態。精神的ストレスも多く、本来人の体に備わっているはずの、生体リズムを無視した生活に加え、足りない時間を食事や休息を削って作りだしています。生活するのに便利な機械が増え、移動手段も多く、普通に動くことも少なくなっています。そういった便利なものを捨て去ることはできませんし、車や電車や飛行機は使わなければ生活しづらいものです。でも我々はこの現代で生活しなければなりません。
そこで、この現代に生活する上で、どう養生していけばよいのかを“動く・食べる・休む”と言う視点から考えてみました。
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