ホーム > 症状と漢方薬 > 不妊症について > 男性に多い漢方的要因（腎陰虚） 漢方では、腎は生命力の源が宿る所と考えます。腎精不足（じんせいぶそく）は生殖の精を始め、気や血の元にもなる精自体が衰えた状態です。大きく分けて「腎陽虚（じんようきょ）」「腎陰虚（じんいんきょ）」の2タイプに分けられます。 ここでは腎陰虚（じんいんきょ）についてお話します。（腎陽虚についてはこちらをご覧ください。） 腎陰虚とは 腎の血や潤いが消耗した状態です。先天的な要因に加え、ストレスや過労、酒の飲み過ぎ、熱性や乾燥性の食べ物の食べ過ぎなどが原因になります。のぼせと乾燥のタイプです。 腎陰虚でよく見られる症状 体の熱感・手足や顔のほてり・夕方の微熱・のどが渇き冷たいものが飲みたい・皮膚の乾燥・目の乾燥・不眠・寝汗・乾燥便・便秘など。 精子の量が少ないなど。 腎陰虚に使用される生薬 不足した陰分を補う薬を使います。 地黄・枸杞子・玄参・知母など。 腎陰虚の養生 1. 過労を避ける 過労や過度の性生活は陰分を消耗します。 2. 夜は早めに寝ること 夜は陰の時間に属し、本来は休息し陰を養う時間です。夜更かしは陰分を消耗します。 3. 汗をかきすぎない 汗も陰分の一部です。過剰な運動やサウナなどで汗をかきすぎると、陰分を消耗してしまいます。汗をかいた後は適度に水分を補給しましょう。 4. 辛いものや刺激の強いものを避ける 香辛料などの刺激物を食べると、体がカーッと熱くなり、体を冷やすために汗が出ます。辛いものは熱を生みやすく、この熱により陰分を消耗してしまいます。 食養生 ◎ 合う食べ物 体に潤いを与える自然の甘味・酸味や平性・涼性の食材を使いましょう。飲みのものの場合、冷たいものより温かいほうが良いでしょう。 動物性食品： 魚類・貝類（はまぐり・あわび・あさり・かき・しじみなど）・豚肉・鶏肉・すっぽん・いか・卵など。 植物性食品： 豆類（えんどう豆・緑豆・黒豆など、豆腐・豆乳も）・季節の果物（スイカ・レモン・メロン・夏みかん・梨・ブドウなど）・きくらげ・レンコン・ゆりね・くわい・山芋・トマト・きゅうり・白菜・ナス・小松菜・春菊・ごまなど。 × 合わない食べ物 辛味や温熱性が強い食べ物は控えましょう。 例： こしょう・生姜・にんにく・とうがらし・らっきょう・菜の花・牛肉・羊肉・酒・コーヒー など。 どくだみ・アロエ・センナ・体を強く温めるダイエット食品はやめてください。