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アトピーと休息

動物である人間は、“動く物”であるがゆえに、人として動くことによって機能する体を持ち、動いて消費したエネルギーを食で補い、体の修復や成長のために休息する必要があります。また、人は高度に思考・情緒が発達したので、頭や心も休ませないといけません。

アトピー性皮膚炎の状況でも基本は同じです。動く・食べる・休むは常に大切なのですが、往々にしてその内容・質・規則性が乱れます。

特にかゆみが強く、皮膚の炎症が広範囲にひどく出ている場合など、必要となるエネルギー・栄養も多くなり、必然的に過食傾向も出てきます。胃腸の負担も大きくなり、通常ならば体全身が疲弊してしまうところですが、アレルギー反応が強い場合は、体が興奮状態にあるようなものですから、不思議と元気なことが多いのです。かゆみで夜も眠れない日が続いても、翌日何とか動けたりします。

でも実際は疲れています。休みたいはずです。実際かゆみが落ち着いてきた時に強い眠気が襲ってくることもあります。

ただ、食や運動は比較的意識的にコントロールすることができますが、休むことはコントロールしにくい場合があります。

体を休めるのにまず大切なのは睡眠です。ただかゆみのためにこの睡眠が取りにくい場合があります。あまりに寝られない場合は、寝られる時に寝る必要もあると思います。

ある程度かゆみが落ち着き、寝られるようになると、規則正しく寝る必要があります。人には生体リズムがあり、ホルモン系などそれに応じて働いています。最後はここも整えていかなければならないでしょう。

一方心を休めることも大切です。基本的には気分を変える、辛いことから少し離れられるようにするといったことになると思います。

私事ですが、アトピーがひどかった時期には常にイライラしており、なにか事あるごとに気分が爆発することがあれば、対人恐怖と孤独、憂鬱もつきまとっていました。なかなか冷静にはなれず、考えをまとめることは至難の業でした。私がそんな状況で行った事は、辛い状況をノートに書きなぐることと体を思いきり動かすことでした。人によって何をしたら気がまぎれるかは異なると思いますが、体に悪影響を及ぼすことない方法が見つかれば良いと思います。

またご家族の方にご理解いただきたいのは、かゆみというのは想像以上に辛いものだということです。私も「たかがかゆみ」「かゆみは気持ちの問題」「なんとかがまんしなさい」などと何度もいわれたこともあります。どうしようもない辛いかゆみを持つ者にとって、これらの言葉は腹の立つものでしかありません。

ただ、引っ掻くことは最悪なのも間違いありません。そこで、かゆいところをさすってあげたり、外用剤を塗ってあげたりして「我慢できないかゆみに対して、引っ掻く以外の別な形に変えて、皮膚を傷つけないようにするお手伝い」をできればお願いします。また、ポロポロ落ちる皮膚などの掃除、衣類や布団などの洗濯、食事の準備などは、アトピーを持つ者にとって本当にうれしいものです。

最後に「アトピーの漢方薬」についてお話します。




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