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胃腸の重要な働きは、消化・吸収・排泄です。せっかくバランスの良い食事をしても、消化吸収が良くないと身になりません。また、忘れがちなのが排泄。不要な物はしっかり排出することです。この清なる栄養素と濁なる不要な物を分けることを、漢方では「清濁を分ける」といいますが、これはアトピーにも、ひいては体全身にとっても非常に重要なことです。
消化は口から始まっています。最近は大人子供問わず時間に追われる方が多いので、大切な「よくかんで食べる」ということが忘れられています。慌てて食べるので、お水やお茶で流し込むようなことが多く、胃腸に負担をかけてしまします。また普段かまないので、硬い物やかまないと呑み込めない物は苦手の方もいらっしゃいます。そのためか、
「しっかりかんで、硬いものも食べましょう。」
と小学校で教えたら、あごの関節を痛めた子供がたくさんいたという話があります。子供のあごが小さくなって歯並びが悪くなっているということも聞きます。
口でしっかりかみ、唾液を十分に出して混ぜ合わせて食べること。30回50回かんで食べるのもいいのですが、回数ばかりに気がいって楽しく食べられません。まずは一度食べ物を口にしたらお箸や茶碗を置き、食事中の水分は極力取らないようにするのはどうでしょうか?
栄養素の吸収は大部分が小腸でおこなわれます。そして大腸では水分が吸収されます。アトピーの方は皮膚だけではなくこの腸にも少なからず炎症を持つ方が多いそうです。腸が荒れていると、大切な栄養素だけでなく、不要な物まで吸収してしまう可能性があります。
中国の漢方の皮膚科では、大便の状態をとても重視します。皮膚のトラブルがあり、便通が悪い場合は、まずすっきり便が出るようにするそうです。確かに「便秘をすると肌が荒れる」といわれますよね。
漢方では、大便は「スッキリ爽快に出ていること」が大切だと考えます。少々便が軟らかくても、痛みもなくスッキリ出ていたら良いのです。逆にきれいな便が毎日出ていても、なんだかスッキリしない、残便感がある、というのは良くありません。
食事と軽い運動で毎日スッキリとした排便習慣を持ちたいものです。
次に「食事と嗜好品」についてお話します。
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